紀州備長炭は、江戸時代の中頃に秋津川とその周辺の炭焼きが製炭技法を確立し、田辺の炭問屋「備中屋長左衛門」が取り扱う商品を「備長炭」と名付けて売り広めたのが始まりと言われています。松尾芭蕉が奥の細道を歩いていた頃のことです。
それでは300年の歴史を持つ紀州備長炭がどのような工程でできあがるのかご案内致しましょう。
それでは300年の歴史を持つ紀州備長炭がどのような工程でできあがるのかご案内致しましょう。
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伐採・搬出
みなべ・田辺地区では梅畑を造る時に山全体を梅林にせず、薪炭林を残してきました。また、備長炭の原... -
木ごしらえ
曲がった原木に鋸・鉈で切れ目を入れ、コミと呼ばれる木片のくさびを打って真っ直ぐにします。また、直... -
立込み
原木の立詰めは紀州備長炭の特徴です。また窯出し直後の人の入れない熱い窯に「コロバシ」と「立て叉」... -
口焚き・乾燥
窯口で雑木を燃やし、生木を乾燥させます。2~3日すると煙の勢いが増し、甘酸っぱい香りが鼻をつきま... -
炭化
炭を焼くというのは正確な表現ではありません。ひとたび炭化を始めた原木は、自ら発する熱によって、順... -
ねらし
白炭の最大の特徴はこの「ねらし」です。炭化を終えた炭は、徐々に広げられた窯口から送り込まれる空気... -
窯出し・消火
窯口に引き出して精錬された炭を「エブリ」でかき出し、素灰をかけて消火します。炭は一度に大量に出し... -
選別・箱詰め
素灰をかけて消火・冷却された炭を灰の中から掘り出します。 備長炭は鉄よりも硬く、鋸では切れな...
秋津川の炭焼きが集まると、必ず出した炭の良し悪しを口にします。カキ落しの高さ・窯の底に敷く素灰の均し方・着火の見極め方法などの話題に花が咲きます。それは今も昔も紀州備長炭の品質の維持と向上を心がけているからです。先人が築きあげた伝統技術を受け継ぎ、改良を重ねつつ後世に伝えることが求められています。
田辺市秋津川の道の駅「紀州備長炭記念公園」では、興味をお持ちになった皆様方のお越しをお待ち申し上げております。
「こだわり忘れず、自然に感謝」の心で・・・。